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2019年 12月 17日
![]() この問いを、何年も胸に抱えていました。 ご案内したお客様から投げかけられた質問の一つで、 きちんと答えが出せなかったからです。 「上に描かれていたら、観るのに首が痛くなるでしょう?」と。 本当にその通りだ、と思いました。 500年前の人々も、上を見上げて絵解きをしたのでしょうか。 図書館でも関連論文を調べたのですが、 ヨーロッパ絵画史において天井に描かれる絵は 前提としてあり、それに対して”なぜ?”と 解き明かす論文を、見つけることが出来ませんでした。 そのため、先週からウフィツィ美術館で始まった ”天井画”をテーマに扱った初の展覧会へ 「何か、答えが示されているかもしれない。」と、 期待に胸を膨らませて出かけました。 すると、教会建築では天井は『天』を描く場所であった事。 (確かに、星空や天上の神の世界が描かれることが多い。) また、中世から15世紀までの世俗建築で用いられた 木彫に、色彩や金箔をほどこしたはめ込み型の天井装飾も、 同様の意味合いを有していたことが、説明されていました。 加えて、大きな影響の一つとして挙げられていたのが、 15世紀末に発見された、ネロ皇帝の黄金宮殿跡。 当時は”大きな洞窟発見!”と謳われ、ローマにいた 芸術家達が、こぞって洞窟内部に描かれた壁画を 写生に出掛けた場所です。 展覧会ではヤコポ・ツッキの素描が見れましたが、 そこに描かれた天井画は、単調な装飾画ではなく、 ルネサンス邸宅に見られる様なギリシャ神話主題の 絵画でした。 黄金宮殿発見によるグロテスク文様の流行 については承知していましたが、 『天井に、”空”以外のテーマを描く』事も、 黄金宮殿の影響だとすれば、凄い事です。 でも、15世紀末以前にも既にあった様な気もします。 そもそも「教会以外の建造物の天井に、 漆喰が塗られる様になったのはいつからか」を、 建築史から紐解いていけば良いのではないか、 とも思い始めました。 まだまだ”正解”は出ていませんが、 少しずつ答えに近づき、楽しくなってきたので 途中経過について書いてみました。 ・・・その後に書いた、天井画のなぞについての考察記事リンクを添付します。
by firenzediary2
| 2019-12-17 20:39
| 展覧会のことなど
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アバウト
![]() 日本、フィレンツェ大学で美術史を専攻し博士号取得。現在はフィレンツェに在住。フィレンツェ県公認ガイド資格取得し子育てしながら活動中。イタリア(フィレンツェ中心)の旬なアート情報をお届けします。 by firenzediary2 カレンダー
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